三・二八事件

3月は2回目の車検だった。
「今回の車検ですが、ぜひうちでやらせてください! 格安のお値段でやらせていただきます!」
あ、そう。だったら頼もっかな。
で、見積りをもらったところ……にににじゅ、21万円?! おい、じょーだんだろっ! そんな金、俺が持ってると思うのか! そもそも新車で買って、まだ5年だぞ! 21万なんて、ありえねーだろ! 
「ご主人、メーター、ご覧になってます? もう14万キロ以上も走っちゃってますけど……」
14万キロぉ?!
「無理に車検を通すより、21万を頭金にして、新しい車を購入された方がよろしくないですか?」
だ・か・ら、21万なんて持ってねーんだよ! 10万でやってくれ、10万で!
「……できません。他をあたってください」
しょーがねーなー、じゃあギリギリ15万まで出す! それが限界だ、15万で頼むっ。
「……申し訳ないですが、できません」
キサマ、それでも日本男児かぁーっ!

14万キロのうち、俺が乗った距離は2千キロくらい。残り13万8千キロは女房だ。

涙を流しながら無いお金をかき集め、ネロのためにパトラッシュを買うお金を払ったおじいさんの気持ちになった3月でした。(涙)
――と、この話はここで終わらない。


もうどこを揺すっても、ど〜こにもお金がない。頼むから平和に過ぎてくれっ。(祈)
車検で泣いて数週間後の3/28。早朝――。
事件は「味噌にぎり」から始まった。

次女「お母さん、あたし今日、お弁当持ちなんだけど、わかってるよねっ?」
女房「お弁当? ……おかずがないわ。しょーがないから、おにぎりで……。あらら、具もないから、味噌にぎりでいいわねっ」
次女「味噌にぎりぃぃぃ? 絶対イヤ! お弁当が味噌にぎりって、ありえないでしょ! そんなもん、持っていけるわけないでしょ! 友だちの前で味噌にぎりオンリー弁当なんて、広げられると思う?!」
女房「そんなこと言ったって、ご飯と味噌しかないんだから、しょーがないでしょ!」
次女「ヤダ! 絶対ヤダ! ありえない!」

すったもんだの挙句、
女房「しょーがないわねー。じゃあおかず買いに行ってくるわよ」
ちょっと待った。お前さ、「今朝は頭がもうろうとする」とか言ってなかったか? 危ないから車で行くなよ。セブンなら歩いたってすぐだろ?
女房「どーして! どーして車で行っちゃいけないの! ねぇ、どーして! あたしは車に乗るのに、いちいちあなたの許可を得なくちゃいけないのっ? だいたいあなたは……」
あー、まぁたはじまったー。いーよ、もう、好きにしろっ。
女房「言われなくたって好きにするわよ! まったく、ふざけないでよ!」
そう言って女房が玄関を出ていった30秒後……。

ドガシャー!

え”。な、なんだ、いまの音っ?!
まもなく女房が玄関に飛び込んできて、
女房「ちょっと来てー! 車ぶつけちゃったー! ねー、ちょっと来てー!」
はいぃ? どこにぶつけたんだ、駐車場の塀か?
女房「違うわよ! 車によ!」
なに威張ってんだよ! だから乗るなって言っただろ!
女房「いまそんなこと言ってる場合っ? 相手の人に、『いま主人が来ますから』って言ってきたの! さっさと行ってなんとかしてよ!」
女房の辞書に「反省」という言葉はない。猿だって反省するのに。。。

出てみると……家の駐車場から頭を出した途端に横殴りされたようで、車のフロントが消滅してる(顔面が削り取られてる状態)。うっわー、こりゃひどい。(汗)
相手の男性の車もひどい状態で、話を聞いてみると、
「今朝はお偉いさんが出席する会議に出なきゃいけなくて……急いでました」
いくら相手が急いでたとは言っても、これって女房が飛び出した、ってことになるような気が……。
とりあえず警察呼びますけど、お怪我は?
「まったくありません」
それはよかった。。。

案の定、女房の方が悪いってことになり、そのときになって、ようやく事の重大さに気づく。
車両保険、入ってない! 直せねーじゃん! 今月21万払ったばっかりで、金なんてどこにもねーよ!

女房「直せないってどーゆーことっ?! 車ないと困るでしょーが! なんとかしてよ! ほんとにもー、いーかげんにしてよね!」
いーかげんにするのは、俺ですか?(汗)

無駄を承知で修理費用を見積もってもらったら……ああ、だめだ、気絶した。orz