韓国アカスリ(カプセルホテルにて)

行きつけのカプセルホテルには大浴場があり、その一角に韓国アカスリのコーナーがある。1〜2年くらい前までは盛況で、いつも待ち行列ができていたが、不況のあおりを受けてか、半年くらい前から待ち行列がなくなり、今年はもうアカスリをする人自体がマレになった。

「アカスリいかがですかー。アカスリどうぞー」
いつしか、暇になったアカスリ士のねーちゃん達が、浴場内で声を張り上げ、アカスリをうながすようになり、今年になってからは、浴場内の客一人一人に、
「アカスリいかがですか?」
と、声をかけて歩くようになっていた。

――ちょうど体を洗おうとしていると、
「アカスリいかがですか?」
いや、結構です。
「どっか、かゆいところない?」
いえ、ありません。
「背中、かゆいでしょ?」
いえ、大丈夫です。
「ほ〜ら、こうしてるとかゆくなる、かゆくなる」
くすぐるな! そんなことしても、かゆくならん!
「あっ、ここ赤いよ? かゆいんじゃない?」
だから、かゆくないってば!
「アカスリやっちゃいなよ!」(背中をビターン!)
い、痛ひっ! なにすんだ、痛いだろーが!
「あー、こんなに赤くなった。それじゃ、アカスリしよっか」

あまりにしつこいアカスリいかがですか攻撃から逃れようと、水風呂へ潜る。ぶくぶくぶく‥‥。数十秒後、「ぷはぁっ」と水面から顔を上げると、その眼前10cmの距離にねーちゃんの顔が!
「アカスリしよーよ」
驚かすんじゃねー! ちゅーか、いーかげんにせんかー!