ちいさいしろいにわとり

小学校一年生当時、二学期のある日のこと‥‥
先生 「それじゃ石田くん、次のところを読んでみなさい」
石田くん 「ぶたはいやだといいました。いぬもいやだといいました。ねこもいやだと‥‥」
先生 「ちょ、ちょっと待ちなさいっ。いったいどこを読んでるのっ!?」
(クラスが大爆笑)

このテキストには、シャレの要素は含んでおりません。いつもの私のテキストとは違います。よっぽど『テキストたち(硬派編)』という新コンテンツを設けようかと思いましたが、一発屋で終わりそうな気もしたのでやめましたが、でもタイトルバナーだけは作ってみたりしましたが、インデックスページまで作ってみたりしましたが、逆接だらけで日本語がおかしいです! とにかく、真面目なテキストです。(^^;


「小さい白いにわとり」をご存じですか。小学校一年生だったと記憶してますが、国語の教科書の一番最後に載ってたお話です。もしかしたらタイトルは全部ひらがなで、「ちいさいしろいにわとり」だったかもしれません。

どんなお話か知らない人のために、ここに全文を書いてみたいと思います。「どうして小学校時代の教科書の内容を覚えてるんだ?」と思われる方もいるでしょう。なぜ私が記憶しているのかは、

石田くん、ぶたはいやだといいました事件

のせいもありますが、とにかく全文を読んでみていただければ分かります。一字一句すべてが合ってる自信はないですが、ほとんど合ってると思います。

「小さい白いにわとり」

小さい白いにわとりが、こむぎのたねをもってきて、みんなにむかって言いました。
だれがたねをまきますか。
ぶたはいやだと言いました。
いぬもいやだと言いました。
ねこもいやだと言いました。
小さい白いにわとりは、ひとりでたねをまきました。

小さい白いにわとりが、みんなにむかって言いました。
だれがむぎをかりますか。
ぶたはいやだと言いました。
いぬもいやだと言いました。
ねこもいやだと言いました。
小さい白いにわとりは、ひとりでむぎをかりました。

小さい白いにわとりが、みんなにむかって言いました。
だれがこなにひきますか。
ぶたはいやだと言いました、
いぬもいやだと言いました。
ねこもいやだと言いました。
小さい白いにわとりは、ひとりでこなにひきました。

小さい白いにわとりが、みんなにむかって言いました。
だれがこなをこねますか。
ぶたはいやだと言いました。
いぬもいやだと言いました。
ねこもいやだと言いました。
小さい白いにわとりは、ひとりでこなをこねました。

小さい白いにわとりが、みんなにむかって言いました。
だれがパンにやきますか。
ぶたはいやだと言いました。
いぬもいやだと言いました。
ねこもいやだと言いました。
小さい白いにわとりは、ひとりでパンをやきました。

小さい白いにわとりが、みんなにむかって言いました。
だれがパンをたべますか。
ぶたはたべると言いました。
いぬもたべると言いました。
ねこもたべると言いました。
小さい白いにわとりは、なんと言ったでしょう。

さて、読者の方々、読んだ感想はいかがでしょうか。小さい白いにわとりは、なんと言ったと思いますか? 普通はこう言うはずです。

ざけんなコラ! これはアタイが全部一人で作ったんだよ! てめぇらに食う資格はないのさ! ボクが一人で食べるんだい! 一人で作るの大変だったんだからぁ! もぉアタシ泣いちゃうっ。しくしくしく‥‥

って、このにわとり、オスなのかメスなのか、大人なんだか子どもなんだか。(^^;


では、当時小学校一年生だった、私のクラスの意見はどうだったでしょうか。なんと、全員が一致した意見でした。それは‥‥

「みんなでなかよく食べる」

なぜ全員がそう感じたのでしょう。不思議だとは思いませんか?

読み手にそう感じさせたのにはラクがあるのです。お話の最後のページに、たくさんのパンを抱え、みんなに向かって、笑顔で立っているにわとりの絵が描かれていたのです。その一枚の絵が、これからみんなでパンを楽しく食べるという雰囲気を、見事に表していたのです。

これ、道徳の教科書に載ってたお話じゃありませんよ。
国語の教科書に載っていたのです。

このお話が、7歳の子どもたちにどれだけ大きなことを教えてくれたか、想像してみてください。21世紀になってもなお戦争の絶えないこの星で、いまじん おーるざ ぴーぽー。

私は、20世紀最高の名曲は、ジョン・レノンの『イマジン』だと思っています。
21世紀もやはり『イマジン』のままなのでしょうか。

このようにとても素晴らしい「小さい白いにわとり」ですが、うちの子どもの教科書には載っていませんでした。実に残念です。。。

私が小さい白いにわとりだったらなんて言うかって?
そりゃあもちろん、ざけんなコラ!(以下略)