新規顧客への提案

ある一定規模以上の案件に提案を出す際には、お客様に提案書を提示する前に、上層部の許可を得なくてはなりません。ところがその上層部に、ひとの話を聞いてくださらない方がいらっしゃいます。

それではこれより、○○様向け ××案件へのご提案内容について、ご説明いたします。本案件は、○○様が‥‥。
*長「ちょっと待て。いくらで出すんだ?」
金額につきましては、提案書の37ページに記載してあります。
*長「だからいくらなんだよ」
それでは先に37ページをご説明いたします。ここに工数のサマリーを載せてありまして‥‥。
*長「待った待った。契約形態はどうなってる」
えー、要件定義工程については‥‥。
*長「いやちょっと待てって。それはどこに書いてあるんだ」
それでは35ページを映します。ここに‥‥。
*長「書いてあるならもういい。スケジュールはどうなってるんだ?」
スケジュールについては、お客様の都合から、今年度いっぱいで‥‥。
*長「いやだから、どういうスケジュールなんだ」
それでは32ページを‥‥。

そんな感じで20分が経過――。

それでは、はじめに戻りまして、本案件のシステム概要をご説明いたします。本システムは‥‥。
*長「いらない」
はい? へ?
*長「そのページいらない」
いらない‥‥と申しますと?
*長「全体構成図もいらない。機能概要図もいらない。実現案もいらない。とにかく、このページから、ここまで、全部いらない」
い、意味がわかりません。それでは提案の中身がなくなってしまいますが。。。
*長「お前らの提案書はいつもそうだ。おい、去年△△部が作った提案書あるか? そうだ、それ。これを見ろ。これが提案書だ」
△△部が作った提案書を見てみると‥‥。

  1. はじめに
  2. 体制
  3. 概略スケジュール
  4. 全体工数
  5. 弊社情報

これは‥‥提案の中身が書かれていないように見えますが。。。
*長「それでいいんだよ。それが提案書というものだ。 それに比べてお前のは、実現案だの、代替案だの、手法だのと、なんだかんだと書きやがって。××部のMもそうだ、あいつも書きやがる。お前らが作る提案書は、提案書になってない。実現案なんてのは、受注できてから提示すりゃあいいんだよ」
いや、しかし、お客様のRFPには、現状の課題に対する案を示せと書かれておりますが。。。
*長「だーかーらー、そんなもんを教えてやる必要なないんだよ! 取れてから教えてやればいいんだ! 先に教えちゃうから仕事が取れないんだ!」
いや、ですが、お客様が要求されていることは‥‥。
*長「いーから、中身を全部削れ! 全体工数だけ載せときゃいい! 削らないなら、この提案は出させない!

こんな理不尽なことが毎日続いてます。毎日怒りを抑え込むだけでエネルギーを使い果たします。

仕方ないので、プレゼンの当日に、ダマで提案書を差し替えることを考えています。 が、中身のない提案書を出した時点で、プレゼンに呼ばれない可能性大です。。。