女房の給油

深夜――。
昨日からガソリンランプが点いていたので、「ガソリンを入れに行ってくる」と出かけた女房から、電話が入る。
女房「いまセルフのスタンドにいるんだけど、給油できないっ」
え、なんで? どうした?
女房「寒くて外に出られないのっ。このまま帰ってもいい?」
ぶわかか、お前わ! いったいナニしに行ったんじゃ! どこのスタンドにいるっ?
女房ごはん屋の隣のスタンド」
遠い! 昨日からランプ点けたまま走ってて、そんなところまで行って給油せずに帰ってくるつもりかっ? それでまた朝から車で出かけるんだろっ? 絶対に入れてこい!
女房「ああ、だめ。寒くて出られない。やっぱり帰る」
たわけ! ガス欠したらどーすんだ! 給油せずに帰るという選択肢はない! それくらい考えるまでもないだろーが! どーしてお前はそう頭が悪いんだ!
女房「あたし、IQはないけど、愛嬌はあるからオッケーなの」
なにがオッケーだーっ!