白岡の田舎道でパトカーと

白岡の田舎道。小さな十字路。信号は無いが、一時停止線はある。
が、女房は一時停止せず、そのまま十字路を突っ切った。 ところが、あろうことかその十字路には、パトカーが右手に止まっていた。
女房「あら? こんなところにパトカーが止まってるわ」
見えてたんなら、一時停止せんかいっ。
当然のごとく、速攻で追いかけてくるパトカー。
「前の車、止まりなさい。(パッシング、パッシング)」
女房「前の車って‥‥アタシじゃない、アタシじゃない」
いや、お前だって。
「止まりなさい。前の車、止まりなさい。(パッシング、パッシング)」
女房「な、なんで追いかけて来るのよ! ちょっと一時停止しなかっただけじゃない!」
原因まで分かっとるんやないけ。
「止まりなさい、キューブ! 前のキューブ、止まりなさい!(パッシング、パッシング)」
女房「アタシじゃない、アタシじゃない。だってアタシは、キューブじゃないんだからっ」
いや、キューブだって。
「キューブ! そこのキューブ! アナタですよ、アナタ! 止まりなさい!」
女房「あーもーしつこい! こーなったら、逃げ切るしかないわぁ!」
逃げるキューブ、追うパトカー。車一台がやっと通れる細い田舎道を、時速85キロでキューブが逃げる! パトカーが追う! が、白岡の裏道じゃ逃げられるわけがない。なぜって、途中で道がなくなるから。(笑)
ついに行き止まりまで追い詰められ、
キキキュキュキューっっ!
急停車したキューブから降りた女房は、警官に向かって、
女房「あら? なにか?」
なにか? じゃねーだろっ!

このテキストは、子どもたちの証言を元に構成された実話です。