深夜の電話

大阪出張から帰宅。その数時間後、深夜に電話が入る。
「はい、××です」
「夜分にすみません、小林ですけど」
「ああ、どうも、ごぶさたしてます。先程、奥さんからも電話がありましたよ」
「え? 女房から? あれ? ××さんですよね?」
「そうですよ」
「なんか声が違いますね。本当に××さんですか?」
「そうですってば。この家に、私の他に男がいるわけないでしょ」
「でもなんか声がいつもと違うなぁ。さては何かあったでしょ」
「あっはっは。いや、実は、つい今しがた、また女房が出て行っちゃって。。。疲れてるんです」
「ありゃ〜。そりゃまずいタイミングでかけちゃったなぁ。かけ直しましょうか?」
「いや、いいですいいです。で、用件はなんでしょうか」
「土曜日にお伺いする件ですけど。いただける物が大きいので、トラックを借りようかと‥‥」
「え”。(- -; ちょっと待った。なにを受け取りに来るんです?」
「え? あれ? 奥さんから聞いてませんか?」
「なんにも聞いてないです。なにをあげるって言われました? まさか、新品のソファーなんてことは‥‥」
「はあ? ソファー? あなた、本当に××さんですか? 電話番号は、XXXX-XX-XXXXで間違いありませんか?」
「間違いありません。その通りです。そして、私は××です」
「電話番号まで同じ。。。でも、声が違うなぁ。。。」
「私の声が? でもあなたは、私が知ってる小林さんの声にそっくりですけど。。。」
「念のためにお聞きしますけど、『ゆうじ』さんですよね?」
「え”。(= =; ち、違います。私は『ゆうじ』じゃありません。(汗)」
「え? ‥‥そ、それじゃ、『ゆうじ』さんに代わってください」
「いや、だから、この家には、男は私しかいないんだってば」
「ええーーーっ!!」
びっくりするのはこっちの方じゃいっ。誰よその『ゆうじ』って。つーか、あんた誰。