働け! マイすとまっく(後編)

本テキストは続編となっています。
前編のテキストは、 「働け! マイすとまっく(前編)」 です。

それからというもの、朝食は「ウイダー in ゼリー」。昼食も「ウイダー in ゼリー」。夜は雑炊やらうどんやらを少しだけ。だってどうせ食べたって栄養にならないんだし、おまけに胃が満杯の状態だから、まったくお腹が空かない。それに胃から先に流れて行かないから、当たり前だけど、下から出るものが出てきやしない。

「ダイエットにちょうどいいな。KとTにうつしてやれよ」
などとたわけた上司が約一名。(笑)

それまでは、
「このまま栄養補給されなくて、いったいいつまで持つのかなぁ〜。いつ倒れるかなぁ〜」
と茶化してた後輩が、とうとう
「お願いですから、もう一度病院へ行ってください」
と頼み込むようになった。(笑) それだけならまだ受け流しちゃうけど、管理職4人に呼びつけられて、「とにかく病院へ行ってこい!」と怒られた。で、しかたがないので行くことにした。。。

長くなるので省略しちゃうけど、先日行った病院へは(喧嘩しちゃったので)もう行けなくなっていた。さて、ではどこの病院へ行くか。今は仕事の関係上、週のほとんどを横浜で過ごしている。ならばやはり、そう、あの病院へ行くのが筋ってもんだろう。その病院とは、ずばりY病院! 綺麗な病院なんだよねぇ、ここ。よくドラマの舞台になったりするし。でもねぇ。。。


Y病院がオープンする以前には、何度そこへ足を運んだか分からない。なぜって、その病院のシステム開発を請け負っていたから。オープン直前は現地で徹夜続きだった。だって、システムが動かなかったから。

ひとつラッキーだったのは、過労で倒れても、そこが病院だったこと。(笑)
数十日前からオープン準備のために看護婦さんたちが通ってきてて、
「私服姿の看護婦さんに看病してもらえるなんて嬉しいよぉ」
なんて言ってる奴がいた。(^^;
しかも当たり前だけど、病室のベッドはがら空き。
オープン前の病院に入院できるなんて、そう経験できるもんじゃない。(^^;
# 言っときますけど、私は倒れませんでした。

オープン前夜、どうしても取れないバグが3つあった。

同業者の人、「殺人バグを追え」という本、読んだことあります?
この手のシステムのバグって、人命に関るんですよね。。。

あの夜、いったい何十人の人間が徹夜しただろ。とにかく多くの会社が開発に参画していて、オープン前夜にまでなって、どこの会社が作った部分が悪いのか、切り分けすらつかない状況だった。メーカーの某社は、
「優秀な奴を全員呼び出せ! 寝てようが何してようがとにかく来させろ!」
と、夜中に電話かけまくってさらに多くの人間を集めて。だからって、このシステムのことを何にも知らない人間が何人来ようが、動くわけがない。けれど夜明けは、つまり病院オープンまでのタイムリミットは、刻一刻と近づいてゆく。。。そうなるともう喧嘩は始まるわ、罵声は飛び交うわ、倒れる人間は出るわ、とにかく事態は悪化する一方。ああもうこれ以上は書きたくない。

結局、どうなったと思います? オープンに間に合ったと思います? 朝になって、実際に診療が始まって、医者がSE達に言ったのが次の台詞です。

「てめぇら、患者を殺す気かぁっ!」

いやー、致死量の処方箋が出ちゃってぇ。そりゃあ怒るよねぇ。(笑) って、笑い事じゃない。(--; で、どうしたかと言うと、しかたないからいちいち紙に書いて、SEがその都度それを持って走ったんです。(爆)

走る! トランザクションSE!(激爆)

実はその病院がオープンした翌年にも、その向かいにもう一つ病院ができて、そっちの開発も請け負いました。これを書くと両方とも長くなるので、機会があればまた別途書きますね。 それから念のために言っておきますが、そのシステム、今はもう大丈夫ですからね。 オープン直後は、横浜近辺で救急車を呼んだときは、
「お、お願いだから、後生だから、Y病院へだけは連れて行かないでくれぇ〜い」
と言え、というのが我々の合い言葉でしたけど。(笑)
あ、だからもう、今は本当に大丈夫ですからね。遠い昔の話ですから。(^^;;


と言うわけで(どういうわけなんだか分からんが)、Y病院へ行くことにしました。いやー、懐かしかったぁ。(^^; でもせっかく診察のときに、システムがちゃんと動いてるかこの目で確かめようと思ってたのに。。。病院へ着いたのは11:10で、外来受付は11:00までだって。(T T)